ナガオカケンメイ

20111103-3

「ナガオカケンメイの考え」という本を読んだ。

デザイナーであるナガオカケンメイの、およそ5年に及ぶ日記を書籍化した小さな本(僕が読んだのは文庫版)。たった590円のこの本には、首が取れそうなくらい頷くほどの言葉と考えが詰まっていた。仕事の事、デザインの事、お店の事、人の事、社会の事…。僕が普段ぼんやりと感じている事を、はっきり示すような「ナガオカケンメイの考え」は、読んでいる自分を「ナガオカケンメイになれるのではないか」と、錯覚すらさせた。それくらい共感したし、感銘を受けた。どうしてもっと早く読まなかったのかと思う反面、今これを読むべきだった、という感覚もあった。

「考え」というものは、「言葉」という表現力を以て、初めて存在感が向上する。乏しい考えは豊かな表現力で脚色されるかもしれないし、豊かな考えは、乏しい表現力で枯渇してしまうのかもしれない。しかし、豊かな考えを持った人は、得てして、豊かな表現力を携えている。と、思う。言葉の温度やテンポを伝えたい人や自分のキャラクターによって、柔軟にコントロールしているのだと、僕は思う。

ナガオカケンメイは、グラフィックデザインで有名になった訳ではない。「自ら」をデザインし、デザインという媒体を使って、「ナガオカケンメイ」を表現した。その思想とプロジェクト、言葉や会社を使って、大きく帆を張った。毒舌、というよりもはっきりとした人だから、波風も立った筈だ。というか、自分で立ててた。笑 この本を読んでてても、自分の会社の事をはっきり揶揄する内容もあって、それも「読む」と分かってて、書くんだろうなと思った。それを受けた会社の方達がどう受け取るか試してるのだと思う。

僕個人としても、お店に対して、同僚に対して、社会に対して思う事は沢山ある。「ノムライッセイの考え」というものがあるからだ。それはほんとに揺るがない基準であって、滅多に壊れないと思う。しかし、それくらい自信があって、殴り合いになろうとも折れないであろう頑固さが存在する。

大人になると「躱す」事が上手になる。やっかみあいになるのが面倒だからだ。でも、なんだろ、ヌルくなっちゃいけないと心底思う。仕事に対しても、社会に対しても。ナガオカケンメイが感じている憤りも同様だと思う。

言いたい事がよく分からなくなった。つまりはナガオカケンメイが感じている事が、色々と僕にリンクしたという事です。それでいいや。

余談ですが、あとがきに書いてある原研哉さんのナガオカケンメイの解説がとてもいいです。ほんとに温かい人だなと思いました。おじいちゃんみたい。

30歳になるまでにナガオカケンメイと話せるノムライッセイになっておきます。

ではでは。